前回水の硬度による「味」に関する感覚の変化について書きました。
では、実際ほかのものと合わせたときにどうなるのか?
硬水で炊いたコメはふっくらしない。
和風だしを取るなら軟水で、洋風だしなら硬水。
紅茶やコーヒーは軟水だったり硬水だったり言われますね。
これはすべてミネラル成分が何と結合することで状態が変化しています。
さて、食べ物の主成分といえば、三大栄養素のタンパク質、脂質、炭水化物です。
それらとカルシウムやマグネシウムが結合して結果が変わるわけですが、大まかに、ざっくりとどんなものがあるのか見ていきましょう。
まず、「出汁」について。
昆布や鰹節などを使った「出汁」は旨味(グルタミン酸等)をうまく抽出する事が大事です。ミネラル成分と旨味成分が結合しちゃって上手く抽出できなくなるので「軟水」が良いとされています。(柔らかければ良いってわけじゃないけど)臭みを抑える…に重点を置きたい時(煮干しなどの出汁)は「硬水」を使うと良いです。
牛の骨などから取る「フォン」は長時間煮込むことでコラーゲン(タンパク質)をゼラチン化して味を引き出します。ミネラルが肉を柔らかくしたり、灰汁抜き(山菜とかでもよく使いますよね)効果がありますので「硬水」で作ると臭みのないすっきりと綺麗なフォンができます。